
外気の微妙な変化で波が立ち、崩れ、再び平衡へと回帰する。
Photo : Sigeo Ozawa (c) SHINKENCHIKU
国営昭和記念公園子供の森の一角、約4,000Fの敷地全域に、高さ1m、天辺2m角の芝生のチョコレート台地を造成。東西、南北に交差する2m幅のグリッドの回廊は、霧と子供たちの通路となる。西側に<霧の滝>、中央に<霧の池>を設計し、それぞれ2系統/350個、4系統/464個のノズルを設置。6台のポンプのON/OFFプログラムで霧の量と形状と流れを制御。滝と池から湧き出る人工霧は芝生台地を横切り、合流して森に広がる。風の日には霧は空へと舞い上がり、風のない日には自前の対流圏を生成して、平衡と波乱を繰り返す。雨の降る日は森全体がまたたく間に雲海と化す。植栽と地表の凸凹は吹き抜ける風を和らげ、霧の停滞・遅延を助ける。大気と呼応する霧のライブ環境は、子供たちにとっては、五感を駆使して全身で体験する発見の場であり、事物/現象をこえた夢の世界への誘いでもある。
(設計協力:森岡侑士/高谷史郎、装置設計:北川原温+ILCD、全体計画:高野ランドスケーププランニング)

霧の滝にフォグノズル350個、池に464個を設置して人工霧
による霧のライブ環境を創出。霧の中に出没して楽しむ子供達。
Photo : Sigeo Ozawa (c) SHINKENCHIKU

滝と池から霧が湧き、30分ごとに雲海が現れては消えていく。
埴栽と地表の凸凹が吹き抜ける風を和らげ霧の対流を助ける。

使用水量:年間(250日)2,000t
使用電力:年間(250日)10,000kwh
風洞実験の結果、西側に小山を築き、風の道に植樹して気流を調整。
シラカシ林は旧米軍立川基地居住区の並木をそのまま残したもの